えむ

助産師さんの外来だと気楽にいろんなことを相談できそうですが、
外来で心がけていることはありますか?

福井助産師

妊婦さんの心のケアです。
皆さん不安に感じているのはわかりますが、SNSなど情報過多の時代で、ご本人とは全く関係のない症状や事例に怯える妊婦さんもいます。やる必要のないことを気にするよりも、今、何を気にすべきかをお伝えしたいと思っています。先生に話せなかったことや聞きづらい質問は、助産師がお聞きします。

えむ

初回の問診ではどのような配慮をしていますか?

福井助産師

妊娠歴のようなデリケートな質問もあるので、若年で親が同伴するなど特別な配慮が必要でない限り、ご本人だけでお話を聞くようにしています。実家や家族のサポートが受けられるか、行政サービスが必要かどうかなども考えています。支援を希望される場合は、院内にある「患者サポートセンター」へ連絡し、産科担当のソーシャルワーカーに繋ぎます。安心して出産できるサポートだけでなく、産後は安心して育児ができるよう体制作りにも気を配っています。お母さんの気持ちに影響が出てくることなので、望んだ妊娠だったか、ご主人の反応はどうだったか、妊娠の受け入れについても早めに確認します。

えむ

なるほど。

福井助産師

外来の30分間にできる限り話を聞くようにしています。緊急性のない質問などは「まとめてきてね」「次回、お話聞くからね」とお願いしていますが、次に助産師が受け持つのは4週間後になるので、その間の相談は電話で受け付けるようにしています。他にも、エコーをしながら妊婦さんと会話するようにしています。異常を発見するのが目的ではなく、元気に育っている赤ちゃんを確認しながら、できるだけコミュニケーションをとるようにしています。

えむ

具体的にどのような質問がありますか?

福井助産師

「痛いのか」「陣痛には気付けるのか」「いつ電話したらいいのか」など、生まれる時の質問が多いです。
いわゆる「検索魔」と呼ばれるような、自分とは関係のない情報に振り回されている妊婦さんをなだめるのも私たちの役割だと思っています。気にしなくてもいい時期から「促進剤は痛いですか?」「頸管拡張はやらなきゃいけないですか?」だったり。今はぜんぜん関係ないですよ、とお伝えしています。

えむ

情報が多いがゆえの悩みがあるということですね。

福井助産師

そうなんです。ですので、気になることや質問を積極的に受け付けて不安を取り除くようにしています。
産後も良好な生活を続けるために、メンタルケアも大切です。

えむ

初産婦さんへのメッセージはありますか?

福井助産師

初めての出産は、イメージできないことが多くて不安に感じる妊婦さんは多いです。
助産師と話すことで、少しでもその不安を解消してもらえたら嬉しいですね。