
助産師外来での初診の流れを教えてください

健診協力医療機関で分娩予定日が出た妊婦さんに予約してもらっています。だいたい妊娠10週から12週の方が来られるのですが、「共通診療ノート」があるので紹介状は要りません。外来受付で初期検査のご案内をします。
血圧や尿検査などを済ませてもらい、渡された問診表へ必要事項を記入して順番を待ちます。呼ばれたら、医師の診察前に助産師が問診します。今後の流れについての説明を含め、所要時間は30分ほど。そのあと、医師の診察になります。


助産医師外来の後に産科医の診察があるんですね。

初診時には必ず医師の診察が必要で、お腹から赤ちゃんを診た後は、内診で頸管長や卵巣の腫れを診たり、お母さんの腎臓を診察します。
以降、医師の診察と助産師外来が交互に2週間おきに入ります。初診以降の助産師外来では医師の診察はなく、検査技師が超音波検査をしたり、助産師が赤ちゃんのエコーや健診をしたり。診察の結果については医師への報告基準が決まっていて、当てはまると医師に報告します。


週数によってやることは決まっているのですか?


はい。何週に入ったら何を確認するか、何を伝えるかは決まっていて、週数ごとのスケジュールに沿って行います。
初診時にお渡しするテキスト「HELLO BABY」に沿って妊娠中の過ごし方や食事管理、授乳について話をします。

HELLO BABY読みました!とてもわかりやすいですね!

ありがとうございます!
15週前後ではMBI値を使った体重管理の指導をします。増やす目標と増えすぎに注意しながら、1週間に0.5kgずつ増えるのが理想です。でも、「つわりの時期は気にしなくてもいい。落ち着いたら気を付けてね」と伝えています。赤ちゃんが育つためにも増やさないといけないけど、急激な体重増加は母体に負担がかかりますから。
22週以降の健診では母乳のメリットをお伝えし、「おっぱいケア」を始めます。信大のお産については、実際の分娩台がどのようになっているかなど、個人で動画視聴できるよう案内します。

妊娠後半ではどのようなお話をしていますか?

34週以降、「パートナー同席外来」があるので、この1時間枠を使ってご主人に育児体験できる機会を設けています。産後は、パートナーや家族に支えてもらうことも大事なので、育児のイメージまでしてもらいたいです。
「バースプラン」は35週から36週で。どういうお産にしたいか、ご本人とご主人それぞれにご希望を聞きます。信大は録画ができないなど、叶わないこともあります

お産が近づいたらどうすればいいですか?

通常のお産の場合、平日昼間に陣痛がきたら外来を通って入院の案内をします。平日の受付時間内で破水などの症状で緊急の場合には、「妊婦専用ホットライン」を使うことができます。助産師が直接電話を受けることができ、症状が出ている妊婦さんに限り使用できます。休日夜間の電話対応は病棟で行います。
助産師だけでお産を終えていい「院内助産」もあります。これは、37週辺りに先生と確認ができているノーリスクの妊婦さんが対象です。助産師が入院の判断をして、赤ちゃんを取り上げることもできます。その後、胎盤が出たら先生が診察に入ります。処置が必要な時でも、すぐに対応できます。

里帰り出産についてもお聞きしたいです

里帰り出産で来られる妊婦さんは、だいたい34週で初診になります。
出産間近なので、初診から入院案内をします。妊娠後期になると、1週間おきの診察ですが、助産師と医師が交互に行う仕組みは同じです。
実家で生活はするけど家族のサポートは得られるのか、他県に住民票がある場合は、松本市の行政サービスが受けられるのかなどを確認します。通院中から産後までの生活を見据えて、必要がありそうな妊婦さんには、ソーシャルワーカーに入ってもらうなどの対応をします。

他に信大病院の特徴はありますか?

総合病院なので、産科以外の先生に相談することができます。
例えば、「てんかん」の持病がある場合、他科の先生にもにカンファレンスに参加してもらって、妊産婦の入院生活や日常生活が順調に送れるアドバイスなど聞くことができます。妊婦さんの心の状態によっては、メンタルヘルスとして、「精神科」や「周産期のこころの外来」に相談することもあります。